中央区晴海にある、シトロエン中央ショールームで、CITROEN C5 AIRCROSS SUV に試乗してきました。
今年2019年はシトロエン創業100周年ということで、赤坂アークヒルズでも9/22まで展示イベントが行われ、9/23にはパレードが予定されているそうです。お天気が気になりますが。シトロエンも歴史のある会社なんです。
お目当ての C5 AIRCROSS SUV です。(以下 C5AC と略)
全長が 4500mm で、リアのオーバーハングがかなり短いのはいいですね。ホイールベースは 2730mm とたっぷりです。
ラゲッジも広くて使い易そうです。
展示車はナッパレザーパッケージというオプションが付いた、高級バージョンです。サンルーフが気持ち良さそうです。
レザーシート、マルチランバーサポート、フロントシートヒーター、サンルーフ、アルミペダルが追加装備されます。腰痛持ちには、こちらの方が良さそうですね。室内の配色は、我が家にあったショコラ(ルノー・ルーテシア・ガナッシュ)を連想させるものでした。
なかなか落ち着いていて、いい雰囲気です。
C5AC の仕事場です。ここでちょっと驚きの発見が。
シフトレバーの右側に、グリップコントロールと呼ばれる、シトロエンのトラクション・コントロールダイアルが付いているのです。
そのダイアルのアップです。
まるで Land Rover の テレイン・レスポンスみたいです。
9時の位置だとトラクション・コントロールがオフになるので、通常は12時の位置で走行するとのことです。
しかもヒルディセント・コントロールが、条件によって自動で働くそうです。
このダイアルを見た時、思わず C5AC は4駆だったっけ?と考えてしまいました。FWD でもこのような制御があるのですね。
比較のために、我が Discovery-4 のテレイン・レスポンスのコントロールダイアルを載せておきます。因みに左下のボタンは車高調整、右側はトランスファーのハイ・ロー切り替えで、ダイアル直下の赤ボタンは、ヒルディセント・コントロールです。
これは自分にとっては嬉しい発見でした。何と、メーターパネル中央上部に BX, CX, GS などでお馴染みの、ボビン式スピードメーターが鎮座しているのです。これは嬉しいギミックですねえ。液晶表示ですから回転ではなくスライドするのですが、できれば遠近法を取り入れて、回転しているように見せて欲しかったですね。そうすれば完璧ですよ。
メーターパネルの表示を変更しても、ボビンメーターは生きています。
こちらは試乗車のスペアタイヤ収納部です。周囲にスペースがあるので、ちょっとした小物の収納も可能ですね。
リアシートバックは3人分が独立していて、1人分づつ可倒します。
自分は過去に BX19TRS のハイドロニューマチック と XANTIA V-SX のハイドラクティブII サスペンションの経験があります。
さらに現在の愛車はエアサス装備の Land Rover Discovery-4 ですし、最近たて続けに最新の Range Rover Vogue, 現行型 Discovery と 友人の Discovery-3 も体験してきました。
これらの経験を踏まえて C5AC の試乗を行いました。
自分のイチバンの興味としては、シトロエンはハイドロを捨てて大丈夫なのかということです。あの独特の乗り心地、操舵感は他では味わえないものだからです。今年100周年ということもあり、自分の体験として検証してみたくなったのです。
試乗車は 2L のターボディーゼルで、8速 AT です。4気筒ディーゼルとは思えない程、静かでブルブルと振動しないのは、正に現代のディーゼルエンジンなのだなあと感心しました。但しアイドリングストップからエンジンスタートの時は、さすがに振動というか揺れが伝わります。気になる方はアイドリングストップをキャンセルすれば済むことです。
このサスには油圧ダンパーが使われているようで、想像以上にフラット且つ滑らかな乗り心地でした。試乗したコースは都内晴海地区のベイエリアでしたが、オリンピックの建設ラッシュにより、適度に道がうねったり、川があるので橋の継ぎ目を通過したりと、都内の試乗コースとしては楽しめるものでした。
感激したのは継ぎ目を超える時のショックの少なさと、安定感です。さらにうねりを越える時のふわっとした身のこなし。正直これならハイドロでなくても、充分いけると感じました。この日は生憎 MGC マラソン大会の日で、白バイの何と多いこと。ほとんどの信号機付き交差点で、1台は見かけるような状態でした。よって、青信号でのスタートダッシュは体験できましたが、あくまでも制限速度以内という超限定条件下での試乗でした。
ディーゼルエンジンのフィールもいいし、加速もいいし、乗り心地もいいし、ハイドロを止めて金属サスになっても、魅力的な存在であることが確認できました。この乗り心地は、エアサス装備の現行型 Discovery に匹敵するくらいソフトで安定しています。
これは試乗車固有のことかもしれませんが、電動ステアリングを切ったり、戻したりする時に、逆方向に微妙に力が加わる点が気になりました。
シトロエン独自のセルフセンタリング方式のステアリングを経験された方ならお解り頂けると思いますが、自分は経験がないためこの反力に違和感がありました。
恐らくレーンキープなどのセイフティーデバイスがある関係だと思いますが、もう少し何とかならないものかと思いました。
C5AC は大変良くできたシトロエンで、ボディー剛性や各部の仕上げも素晴らしく、昔のシトロエンでは考えられないレベルです。チャンスがあれば高速道路を走ってみたいと思いました。しかし、最大のネックは、車体の横幅です。ミラーを畳んでも、我が家のガレージには入らないことが判明しました。Discovery-4 は立体駐車機の上を乗り超えるという荒業で何とか収まっていますが、車高調整がない C5AC ではこの方法は使えません。ホイールベースが長い分、腹を擦るのは目に見えてます。この点が唯一、最大の残念なポイントです。
またこのクルマは FWD のため、日本でキャラバンを牽引するには注意が必要です。冬場は牽かないということであれば、1トン程度のキャラバンであれば牽けるとは思います。但し、素人である自分がリア下部を覗きこんだ限り、どこにどうやってヒッチメンバーを取り付けるのか、わかりませんでした。キャラバン牽引を検討されている方は、シトロエン・ジャポン又はキャラバン販売店にご相談された方がよろしいかと思います。
C3 AIRCROSS
2CV と比較するのはいかがでしょうか。
今 2CV の新車が安く買えるなら、自分は迷わず 2CV を選びますね。
GRAND C4 SPACE TOURER
オレンジのメアリに目が行ってしまいます(笑)
このチェア、いいですねえ。
いい体験をさせて頂きました。シトロエンはやっぱりイイです。
ソフトで快適な乗り心地は、しっかりと継承されていました。