連結ってどうやるの?

ヘッド車にトレーラーを連結するためには、先ずお互いの連結器部分、ヘッドのトウバーとトレーラーのカプラー部、にガタつきや亀裂などの異常がないか確認します。この時、目視だけでなく、軽く揺すってみるとよいでしょう。何か異常がある時は、潔く連結は諦めて、販売店に連絡するとか、仲間や、JAF、保険会社に連絡するなど救助を求めましょう。キャンプ場などであれば、事情を話してトレーラーだけ預かってもらうことも選択肢のひとつです。
実際、自分も出先でヘッド車が不慮の事故により自走不能な状況に陥り、自分とヘッドだけJAFの積載車で工場へ直行、家族はタクシーでキャンプ場に戻り、事情を説明した上で電車で帰宅しました。これが何と元旦に起きたハプニングです。後日仲間のヘッド車でトレーラーだけ回送してもらったことがあります。この時ほど仲間のありがたさが身に染みたことはありません。また、仲間のヘッドが、自分のトレーラーと連結できることを事前に確認しておいたことが功を奏しました。機械的に連結できても、電気系統がうまく動作しないとアウトですから、事前確認は必要だと思います。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

トウバー、トウボールの状況を確認したら、トレーラーのカプラーの確認です。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

この写真は別のメーカーのトレーラーのものですが、基本は同じです。
各部に亀裂や破損がないか確認し、連結の準備です。
ハンドブレーキの奥にある、頭が黒いハンドルを廻して、ヘッドのヒッチボールよりカプラーの方が高くなるように高さ調整します。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

ヘッドをバックさせて、ボールがカプラーの真下にくるようにします。
この時、バックカメラを搭載していると便利です。初めのうちは、家族や仲間に誘導してもらうのも手です。もし大人が数人いれば、トレーラーを移動させて、位置合わせすることも可能です。左右のズレであれば、カプラー部分を横からひざで押すと、トレーラーの向きを微調整することが可能です。
下の写真はボールをくわえた状態です。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

大きなレバーを下に降ろすことで、スタビライザーがONになります。
スタビライザーとは、ヒッチボールを機械的に横からパッドで挟むことにより、スネーキングの抑止に効果があります。
高速道路の法定最高速度は 80km です。スタビライザーがあるからと言って安心せずに、法定速度は守りましょう。家族の安全のために。
下の写真でヘッドのバンパー内に黄色いコネクターが見えますが、これがトレーラーに取り付けたリアカメラの映像を、ヘッド車内に引き込むための配線です。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

連結が完了したら、電気系統の接続です。13ピンコネクターをヘッドのコネクターに差し込みます。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

最後にセイフティーワイヤーをヘッドに繋ぎます。これは走行中万が一連結が外れた場合、このワイヤーが引かれることで、トレーラーのブレーキが作動するというものです。このワイヤーの取り付け位置ですが、絶対にトウバーに巻いたり、トウバーの取り付け部に接続しないでください。できるだけ、車体に直接溶接された場所に装着してください。
下の写真のように強度のあるシャックルを利用するのも手です。
過去に起きた(仲間から聞いた)例では、ヘッドの後部床板が金属疲労によりもげて、ヒッチメンバーが脱落し、トレーラーが暴走するという事故があったそうです。この時セイフティーワイヤーがトウバーに巻き付けられていたため、ワイヤーが引かれることなく、トレーラーのブレーキがかからなかったというものです。幸いにもこの時は単独の自損事故で済んだそうですが、一歩間違えば第三者をも巻き込む大惨事になっていたかもしれません。多くのトレーラーは、LPガスボンベやカセットガスボンベを積んでますから。
このように、連結器部分は、非常に、非常に重要な部分です。安易な取り付けや価格だけで判断しないでください。

自分がランドローバーに行き着いた理由は、この牽引という行為に対してメーカーが正面から取り組み、 日本国内に於いてもカタログに正々堂々と最大牽引荷重を掲載し、自社ブランドのアクセサリーとして販売するだけの自信を持っているからなのです。

残念なことに、本国では自社のアクセサリーとして、こういった牽引関連のパーツを販売しているのに、日本では取り扱わないという事例が少なからずあるということです。日本仕様は、本国仕様と何か違うのではないかとすら疑いたくなります。

あるメーカーの本国HPでは、トレーラーを牽引した状態でも、自動でバックして車庫入れできる装置がオプションで用意されているにもかかわらず、日本ではトウバーですら扱っていないのです。歴史や牽引文化の違いなのか、或は事なかれ主義だからなのでしょうか。悲しい限りです。

ここまで読んで頂いた方に誤解して頂きたくないのは、自分はトレーラーの牽引に対して否定的な立場にある訳ではありません。むしろ肯定的であり、積極的に広めたいと思っています。しかし、どんなものでもそうですが、道具の選択や取扱い方法を誤ると、重大事故に繋がる可能性があるということです。ここは安全に直結する部分ですので、安易に考えて頂きたくない。それだけです。

このことからも、トウバーやヒッチメンバーの機種選択、取り付け、電気配線は、購入するトレーラーの機種、重量等スペックが決まってから、プロがいる専門業者(できればトレーラー販売店)にお任せするべきだと考えます。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

という訳で、ちょっと話が脱線しましたが、これで連結は完了しました。しかしこれで終わりではありません。

次にトレーラーのジョッキーホイール(前輪)を引き上げて、所定の場所にしっかりと固定してください。ネジの締め付けが緩いと、走行中にジョッキーホイールが脱落し、思わぬ事故に繋がる可能性があります。
下の写真は連結が完了し、ジョッキーホイールを定位置に引き上げて固定したところです。
尚、この状態にすると、ワンボックスの下からガバッと開くテールゲートとか、右側ヒンジの横開きタイプのテールゲート(例としてはランクル・プラドなど)は、ジョッキーホイールの高く伸びた筒の部分にテールゲート先端が当たり、全開できない場合があります。その場合は、ジョッキーホイールを一度降ろしてください。但し出発前に忘れずに格納してください。

トレーラーの連結 by Disco-4@東京©

出発前の最後の点検です。先ずは、トレーラーの灯火類が正常に作動するか確認してください。家族や仲間の協力が得られない、単身出動の場合は、ブレーキペダルに突っ張り棒をかませて、ブレーキランプを点灯させてください。スモールとハザードを点灯させたら、トレーラーの周囲をひと回りして、灯火類の作動を確認してください。
この時、同時に4脚がきちんと格納されていることも確認してください。

最後にもう一点。これは連結前にすべきことですが、車内の窓や収納扉、冷蔵庫がきちんとロックされているか確認してください。案外忘れやすいのが、天窓とTVのアンテナです。天窓はちゃんと閉まって、ロックされていますか?TVアンテナは伸ばしたままになっていませんか?
地デジのゲジゲジアンテナの場合は、向きも確認してください。場合によっては、車体からはみ出していることがあります。走行中街路樹などに当たって向きが変わる場合もありますので、注意が必要です。
荷物がテーブルの上とかに置きっぱなしになっていませんか。走行中に落下しますよ。
そして大事なこと。トイレの蓋はちゃんと閉まっていますか?ブラックタンクはきちんと閉じていますか?これが開いていると、帰宅してからあなた自身が超悲惨な目に遭いますヨ。
トレーラーのエントランスの鍵を閉め、すべての外部ハッチがロックされていることを確認したら、出発準備OKです。


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