いつもお世話になっているジャガー・ランドローバー三島店さんのご協力で、Jaguar I-Pace への試乗が実現しました。
ジャガー初のEV（電気自動車）です。
EVの特徴として、車体全長に対してホイールベースが長く、車体の四隅にタイヤが配置されていることが解ります。
このクルマの最大のポイントは完全なＥＶであることです。ハイブリッド車ではありません。しかもそのパワーは何と 400 馬力、トルク 696 Nm というもので、AWD（4WD) により確実にパワーを４つのタイヤに伝えます。この馬力は一昨年の夏に乗った Jaguar F-Type の 400 馬力仕様と同じなのです。さらにトルクは回転開始から最大値が発揮されるため、ガソリンエンジン車とはまったく異なる加速フィーリングとなります。
試しにスロットルを床までベタ踏みしてみましたが、いままでに体験したことのない強烈な加速を味わうことができました。バックレストに押し付けられるとは、こういうことなんだと痛感しました。
カタログ値 0 – 100km/h 4.8 秒は、伊達ではないです。
ＥＶ車は基本的にトランスミッションを持たないため、AT車のように変速時の段付がなく、スロットルを踏み込んだ瞬間から、タイムラグ無しにウルトラスムースで強烈な加速が続くのです。これには驚きました。この加速感は大変魅力的で、一度体験するとクセになりそうです。実際、試乗中に何回も踏み込んでしまいました。
しかも室内は低速では無音で、速度を上げるとモーター音が微かに聴こえる程度です。一般道を走行中に一番気になったのが、対向車のタイヤが発するノイズだったのには、本当に驚かされました。それくらい室内は静か、というか無音です。これなら恰好の動くリスニングルームになるでしょうね。コロナ禍の中ですから、外気導入はしていましたが、同乗者がいないため窓は完全に閉めていました。ですから風切音とも無縁です。
いかにも空気抵抗が少なそうな、シャープなボディーデザインです。
充電用コネクターは、左右両側の前輪上部に装備されています。
ルーフのガラスが黒いため、２トーンカラーのように見えます。
広大なガラスエリアです。
下の透視図は、Jaguar I-Pace の日本語公式ＨＰにある電子カタログより拝借しました。これを見ると、長いホイールベースの間にバッテリーがギッシリと詰め込まれているのが解ります。恐らくはこのバッテリーの厚みがあるため、フロアが通常のサルーンなどより高くなり、結果としてSUVの形になったのではないかと想像します。但し重量物がほとんどすべてホイールベース内のフロア下に配置されているため、重心高は低く抑えられているようです。このため、コーナーリングがSUVとは思えない程安定していて、俊足で駆け抜けることができました。この安定感と乗り心地の快適さの両立は、エアーサスペンションの貢献度が大であると思います。５人の大人が乗車できて荷物も積める車重 2.1トン の SUV が、こんなに凄い加速を披露して、ファンなコーナリングが出来るとは想像以上でした。
ステアリングも含めて足回りがしっかりしているため、気持ちのいいコーナーリングを楽しめました。
ルーフは全面ガラスになっています。もちろん室内はシェード付きです。
試乗したのは１２月中旬でしたが、何とか紅葉が残っていました。
ジャガー三島さんをスタートするところです。バッテリーの残量は約半分でしたが、この日のドライブには充分な量でした。因みにフル充電すると４００キロ以上走行可能だそうです。エンジンがないから当たり前ですが、タコメーターはありません。右左折が必要な時だけ、メーターパネル中央にナビ画面が表示されるのは便利でした。
こちらがダッシュボード上にある、メインのナビ画面です。
シフトはボタン式で、上から D-N-R-P となっています。
Ｐの反対側にあるスイッチは、エアサスの車高調整用ボタンです。
このエアサスのお蔭で、WebCG の記事によると渡河水深 50cm となっています。EVで渡河性能があるクルマなんて、他にあったでしょうか。
追記 2021-01-29 ： JLR Japan より追記依頼がありましたので、
下記の通り追記します。
渡河時は時速 7 km/h 以下に抑えるようにとのことです。
EVで４００馬力のAWDであることを、正々堂々と謳っています。
保管場所と資金があれば、すぐにでも発注したいくらい魅力的なクルマです。
この季節なのに、富士山には雪がありませんでした。
今シーズンは異常ですね。
今回ご協力頂いたジャガー・ランドローバー三島店さんのＨＰのリンク２つを以下に貼っておきます。
ジャガーランドローバー三島店さんは、ALC Motors Group の直営店で、顧客も関東一円をカバーするほど広範囲にいらっしゃいます。これは整備工場にいるクルマのナンバーを見れば一目瞭然です。それだけサービスに定評があるという証だと思います。
https://retailers.landrover.co.jp/mishima
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エンジン音を言われると、それだけは疑似的な方法でしか得るることはできませんが、こういうピュアEVなら悪くはないなぁ。ネガティブにばかりとらえる必要はないように思います。
しかしこの車にも渡河性能を謳うあたりはランドローバーならではですね。
たぬ～ですさん、コメントありがとうございます。
Jaguar I-Pace は、SUV の形をしたスポーツカーだと思います。あの加速はシビレます。
あとは、充電場所の拡充と、充電時間の短縮が鍵になってくると思います。
できればガソリン給油くらいの時間に短縮されるとベストですね。
EV で渡河性能を謳うとは、ちょっと驚きました。