西ドイツのアグファ製カメラです。
今回は、AGFA Selecta -m- という、1960年頃に登場したモーター巻き上げ式全自動カメラです。この時代にモーター内臓のカメラは、大変珍しいのではないかと思います。俗に言うモータードライブですね。
AGFA というブランドは、ベルギーに本社を置く化学薬品メーカーですが、このカメラ登場の頃はドイツで写真関連の薬品やフィルムを製造していました。創業者のひとりは、クラシック音楽の巨匠である作曲家メンデルスゾーンの子息だそうです。すでに写真事業から撤退してしまいましたが、世界初のカラーネガフィルムとその現像手法を開発した技術力のある会社です。
現在は、正式社名をアグファ・ゲバルト (AGFA Gevaert NV) としてベルギーに本社を置き、医療機器やマイクロフィルム、ポリエステルなどを製造する総合化学メーカーとなっています。
(以上 Wikipedia を参照)
フィルムメーカーがカメラを作るのは、米国のイーストマン・コダックや日本の富士フィルム、サクラ(コニカ)と同様です。AGFA の映画用フィルムを好んで使った人物として、映画監督の故小津安二郎氏の名前が挙げられています。著名な6作品を AGFA のフィルムで撮影したそうです。
AGFA は日本のスーパー・ダイエーと組んで、ダイエーのプライベートブランドのフィルムも製造していました。 また、AGFA の名前を聞いて、カセットテープを思い浮かべる方もいるかもしれません。クロームとかフェリクロームのテープなどがありましが、実はこれらのテープは同じドイツに拠点を置く BASF から OEM 供給を受けていたものです。
そんな AGFA が作った、実にユニークなカメラがこれです。
ブランド名とモデル名は、正面からしか見えません。
軍艦部にはアクセサリーシューしかありません。他は何も付いていません。露出計はセレン光電式で、シャッター優先の自動露出です。
焦点調節は、前玉回転式の二重像合致式レンジファインダーです。
シャッターボタンは、レンズ右横のレバー(ロータリーエンジンのおむすびみたいな形状)で、押し下げると作動します。本格的なモータードライブとは異なり連写機能はなく、1枚づつシャッターを切ることになります。
軍艦部と背面が非常にスッキリとしたデザインで、このカメラの特徴的な部分です。
フィルム巻き戻しのクランクが、カメラの右側に付いているという、ちょっと変わった配置です。
レンズ根本の小窓に赤字で「A」の表示が出ています。
(写真だとブルーマークの下)
その手前、セレン受光部の左側にある小窓が、フィルムカウンターです。
独創的なアイデアとモノ造りには、正直脱帽です。
不思議なことに、このカメラにはストラップを取り付ける金具がありません。専用の皮ケースに、ストラップが付いていたのでしょうか。
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