本当にここの博物館には、「何でアナタがココにいるの?」と驚かされるものが数多く展示されています。オーナーの趣味・嗜好が 1,000% ストレートに出ている感じで、見ていて非常にワクワクしてきます。
これは南極観測隊が使用した、氷上作業車です。もはや雪上車とは言わないのですね。昭和63年 (1988年) から平成22年 (2010) まで南極昭和基地で活躍し、2011年4月に南極観測船「しらせ」に積まれて帰国しました。ドアの外ヒンジなどを見ても、見た目より操作性、確実性、信頼性、耐久性、メンテナンスの容易性が求められていたのでしょうね。
因みにドアノブは、一般のクルマとは異なり、住宅のドアによくある廻して開けるレバー式回転タイプです。ドアというよりも、装置のフタを開ける感じですね。この方式なら、分厚い手袋をしていても確実に操作が出来、凍結して動かないような緊急時には、ハンマーで叩いて開けることも可能ですね。
ブリザードの中でも前進するのであれば、ライトがちょっと貧弱なようにも思えます。ルーフ上の2灯しか見当たりません。
車体後部に書かれた「JARE」とは、Japanese Antarctic Research Expedition の略で、和名の正式名称は、南極地域観測隊となります。
これはオート3輪のトラックです。このタイプはマツダ製が有名ではないかと個人的には思っていますが、ここに展示されているのはダイハツ製のものです。
1969年型の1トン積みショートボディーという珍しい個体で、エンジンは 1500cc と小型です。通常は2トン積みのロングですから。
このクルマは建設屋さんで使用されていたものですが、2トンロングの場合は主に木材屋さん、大工さんに重宝されました。理由は、フロントが1輪のため、小回りが利くのです。長い木材を積んで住宅街や細い路地を走るには、小回り性能が重視されたのです。ただし3輪車のため、速度を上げて急旋回すると転倒するというリスクがあるため、運転には注意が必要です。
2020_02_15 追記
吉岡建設工業さんは、昭和の杜博物館のオーナーさんが社長さんを勤める会社でした。
余談ですが、ダイハツ・ミジェットが3輪なのも、商店の配達で路地を走り廻るのに適していたためと、コストを削減し販売価格を抑えることで、商店主にも買いやすくするためです。
ダイハツのヘッドマークには、お城がデザインされていたのですね。
本社が大阪なので、大阪城が描かれているとのことです。
Honda T360
1963年に発売された、ホンダ初の4輪車にして、日本初のDOHCエンジンを搭載した4輪車です。しかも 360cc の排気量にして、水冷直列4気筒エンジンなのですから、技術屋ホンダの本領発揮といったところでしょうか。1967年まで製造されました。
最初のクルマが軽トラックになった理由としては、
1)ホンダの既存販売網である2輪車販売店で取り扱えること
2)当時の4輪車は商用車需要がメインであったこと
3)2輪車の需要が落ちる冬の寒い時期でも販売できること
ということです。4輪車の販売網を整備する時間も必要だったのでしょうね。
当時の軽自動車は概ね 20 馬力程度だったのに対して、T360 は 30 馬力を 8500 回転で絞り出すという、大変高回転・高出力型のエンジンを搭載していました。このエンジンには、気筒当たり1ケのキャブレターが装備されているため、これだけのスペックが実現できたひとつの要因となっています。メチャクチャマニアックなエンジンですよね。初期型ではシングルキャブ4ケのタイプと、ツインキャプ2ケのタイプがあるそうですが、後期型ではメンテナンスを容易にできるように配慮して、シングルキャブレター仕様になっているそうです。
これはホープスターという名のオート3輪です。
Net で調べた限りでは、恐らく ON-2 型だと思われますが、プレートには車名のみが記載されており、モデル名の記載はありませんでした。
オートバイと荷車を合体させたようなスタイルですが、フレームがかなりガッシリとしているように見えます。
上述の Honda T360 と同じ排気量 360cc のエンジンながら、こちらは空冷単気筒のサイドバルブ仕様とのことです。
大半が既製の部品を流用して生産されたため、規模の小さな会社の製品でも、市場や販売店から高い信頼を得られたそうです。
このスタイルからキャビンで乗員を覆い、全天候型の貨物車に近づけたのが、ダイハツ・ミジェットのような軽自動車規格のオート3輪です。
どちらも軽自動車登録ですが、性能はまったく異なります。
個人的には、どちらも気になる乗り物です。
これは働くクルマではありませんが、付録その1ということで。
オーストラリア北部の都市・ダーウィン (Darwin) をスタートし、南部の都市・アデレード (Adelaide) でゴールする、オーストラリア中央部の砂漠地帯を南北に渡って 3,000km も縦断する、世界最高峰のソーラーカーレースがあります。ワールド・ソーラー・チャレンジという名称で、日本のブリジストンタイヤが冠スポンサーとなっています。そのレース用のコンセプトカーとして三菱が開発したのが、この展示車輛です。説明パネルには三菱とだけ書いてあるのですが、ボディー正面には Mitsubishi Motors と書いてあるので、三菱自動車製ですね。
これも働くクルマではありませんが、付録その2ということで。
1979年型の BMW R65 です。 水平対向2気筒 650cc エンジンを搭載した BMW のバイクです。このフラットツイン・エンジンは、 BMW 製バイクの代名詞的存在です。
ビキニカウル付きのモデルです。
まだまだ続きます。
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